先日、相棒が風邪を引きました。
「肝臓が疲れている状態のとき、
睡眠不足と肉体疲労が重なると、
抵抗力が弱り始めた50代以上の方は、
あっけなく風邪をひくよ。
この三つが重なるとね、ホント、絶対だから」
こう相棒は日ごろ皆に触れ回っていたのですが、
4日ほどぶっ通しでお酒を呑んで、
武術の稽古をした後、
また夜更かしで お酒を呑んだところ・・・
スッテンコロリン、見事に風邪をひきました。
自説を立派に証明して見せた訳ですが、
いやはやホントに大バカ者です。
でもせっかくなので、
風邪療養の食養生と民間療法をすべて試して、
その効果のほどレポートしたいと思います。
●せき・・・アキグミのはちみつ漬け
●体を温める・・・梅醤番茶・黒にんにく
●熱・・・青菜の氷のう・豆腐湿布
●のど・・・オオバコの飴・枇杷スプレー
●肝臓・腎臓・ネズミモチの丸薬・こんにゃく湿布
■風邪1日目
昼食
●玄米小豆粥
●かぼちゃのいりこ煮
●カリフラワーとにらのごま味噌酢和え
●4年梅干し(梅醤番茶にして飲みました)
夕食
●玄米小豆粥
●豆腐のみぞれ餡かけ(大根おろし&生姜)
●かぼちゃのいりこ煮
●4年梅干し(梅醤番茶にして飲みました)
昔は風邪っぽい時は、キムチチゲや焼き肉、
レバ刺しなどをよく食べていました。
栄養を摂って、精をつけなきゃと思っていたのです。
でも、それは間違っていたようです。
自分の体の声を注意深く聞くと、
風邪の時って、胃腸もかなり疲れているんです。
そんな状態で、消化の悪い肉などは、
ますます内臓を疲れさせてしまうのですね。
風邪の時は、
玄米のお粥や消化を助ける
大根おろし
体を温める梅干し・生姜等の粗食にして、
内臓の負担を減らし、体に栄養を取る事より、
体に溜まった毒素を出し切ることに
専念した方が良いようです。
この日は熱が38度以上もあって、
写真の食事も食べたのはほんの少しだけ。
動物は病気になると、
外敵のいないところに隠れて絶食します。
人間だって、食欲のない時は
無理に食べない方がいいのです。
梅醤番茶(梅干+生姜+醤油+三年番茶)や
黒にんにくで体を温めて
こんこんと眠る事が、一番免疫力を上げるようです。
●青菜湿布
昔から伝わるおばあちゃんの知恵に
「高熱の時は氷で冷やすより、
キャベツや青菜で湿布した方が、
気持ちよく熱が下がる」
というのがあります。
え~っ本当なのぉ~???
一度試してみたい!と思いつつ・・・
高熱なんてそうそう出るもんじゃないので、
ずっと試せずにいたのですが・・・
夕方熱を測ったら、38.6度!
冷蔵庫にはちょうど小松菜がありました。
こりゃ~青菜湿布の出番ですよ!
後頭部と額に小松菜をはりつけ
ぽろぽろ落ちないように手ぬぐいでくるみます
頭を小松菜だらけにした相棒は
「あ~ すごく気持ちいい~」
熱による頭痛も、かなり楽になったそうです。
氷で冷やすと熱は取りますが、
細胞が縮み毒素を閉じ込めてしまいます。
青菜は熱と一緒に毒素も吸い取ってくれるのだとか。
それで気持ちよく熱が下がるらしいのです。
1時間ほどしてはずしたら、
小松菜はゆだったように熱くなって
無残にしおれていました。
そーとー毒素を吸ってくれたみたい。
小松菜くん、ありがとう!
●豆腐湿布
調子に乗って、お次は豆腐湿布。
これも一度やってみたかったんだぁ~。
(病人で遊ぶなって?病人もきっと喜んでるって!)

水切りしたお豆腐に1割ほど生姜のすりおろしを加え
小麦粉で固さを調節します。
ガーゼに包んで額にのせ、
これも1時間ごとに取り替えます。
豆腐湿布は39度以上の高熱の時が良いみたい。
39度も熱のなかった相棒には、
豆腐湿布は1回で充分だったようでした。
●こんにゃく湿布
疲れた時や病気の時は、
肝臓や腎臓をこんにゃくで温めるといいのです。
湿気を帯びたこんにゃくは、
じんわりと体の芯まで温かくしてくれますし、
また、浄化器官である腎臓や肝臓を温めることで、
体に溜まった毒素の排出を
スムーズにする効果もあるのです。

熱湯で10分くらいグラグラ煮たこんにゃくを、

タオル(2枚)にくるみ、
肝臓とへその下の丹田を
30分あたためます。
その時、同時に
左わき腹の脾臓に
水で冷やしたタオルをあてて、
10分間冷やします。
こんにゃくの熱は思った以上に持ちますので、
その後そのまま、両腎臓を30分あたためます。
こんにゃくをはずす時は、
冷たいタオルでサッと拭いてください。
あたため時間は病状や体力によって調整します。
体が弱っている時は短めにね。

使い終わったこんにゃくは、
水をはったタッパーに入れて冷蔵庫へ。
こんにゃくが痩せるまで繰り返し使えます。
●ネズミモチの丸薬
我家は何年も前から市販の風邪薬は一切飲みません。
風邪薬は風邪を治すのではなく、
症状をおさえるだけと知って薬を飲むのを止めたら、
風邪の治りがすごく早くなりました。
のどが腫れたり、熱が出たりするのは、
体が風邪菌と闘っている証拠。
薬でその症状を抑えてしまったら、菌と闘えなくて、
体はいつまでも風邪菌に占領されたままです。
それでいつまでたっても、ぐずぐずと
風邪が治らなかったのではないでしょうか。
風邪の時は、体を温めたり内臓を休めたりして、
闘っている体の応援をした方が、
風邪がスムーズに経過し、
治りがはやいのだと思います。
とはいえ、今度の風邪は熱が高くいささか重症です。
ハタと気づいて、薬っぽいものもひとつ。
自家製のネズミモチの丸薬を飲ませました。
ネズミモチは、肝臓や腎臓を元気にする働きがあり、
滋養強壮効果の高い薬草です。
暮れにたくさん実をいただいて、
せっせと丸薬を作っておいたのが役に立ちました。
■風邪2日目
昼食
●さつま芋入り玄米小豆茶粥(三年番茶)
●大根おろし汁(生姜・ハコベ入り)
●黒焼き梅干し(梅醤番茶にして飲みました)
夕食
●しじみ雑煮(玄米黒豆餅・カリフラワー・小松菜)
●梅酢大根おろし
●4年梅干し(梅醤番茶にして飲みました)
この日もまだ熱は下がりませんでした。
朝、咳が出ると言うので、
アキグミのはちみつ漬けを飲ませてみましたら、
なんとなく、咳は治まってしまいました。
ホントに効くんだね~。
アキグミのはちみつ漬け
やはり食欲はなく、食べたのも少量です。
今日は
梅干しを黒焼きにして食べてもらいました。
黒焼きにすると梅干しの薬効が
グッとアップするらしいのです。
夜は肝臓にいいしじみのお雑煮。
中身は残しても、しじみの滋養が溶けだした
お汁だけは飲みほしてもらいました。
今日も
ネズミモチの丸薬を飲み、
こんにゃく湿布をして、眠り続けました。
普段、
みかんはあまり食べない相棒も、
今日は大量に食べていました。
「ビタミンCと水分を補給してくれ~!」と
体が求めていたんでしょうね。
■風邪3日目
昼食
●煎り玄米粥 (豆乳&ナッツ)
●りんごとレーズンのワイン煮
●4年梅干し
ナッツと豆乳をかけてオートミール風に
今日は熱は測っていません。
あってもなくても、仕事で3時には
新宿まで打ち合わせに行かねばならないのです。
熱を見たら気持ちが折れるかも・・・と、
あえて熱は測らなかったのですが・・・
でも、どう見ても熱はありそう~。
ふらふらしながら出かけていく後姿に、
ひどくなって帰ってくるんじゃないかと
不安がよぎります。
今度の風邪は熱は出ますが、
のどが痛かったり、鼻水が出たりはないので
不思議です。
でも、人ごみに出る時の予防薬、
枇杷エキスの
携帯スプレーはちゃんと持って出かけました。

外で不意にのどに違和感を感じたり、
痛くなった時に、その場で枇杷エキスを吹き付けると
強力な枇杷の殺菌力で
大事に至らず持ちなおすことが出来るのです。
夕食
●レーズン入りライ麦パン(二戸のひえ入り)
●かぶと豆乳のポタージュ
●タァ菜の胡麻和え
●梅ジャム
夕方帰って来た相棒は、
それほど悪くなった様子もなく、
かぶのポタージュを完食!
ネズミモチの丸薬飲んだら、すぐに寝床に直行です。
明日はまた、
早朝から千葉に研修に行かねばならないという
ハードスケジュール! 大丈夫か? 相棒!
■風邪4日目
朝食
●塩餡入りよもぎ餅
●黒焼き玄米コーヒー(豆乳)
●小梅
今朝も熱は測らず。
まだ熱っぽくはあるものの
昨日よりはだいぶ元気になっているように見えます。
千葉の研修には、
オオバコのど飴に
枇杷スプレー
梅干し&ポット入り三年番茶を持参で出かけました。
千葉まで貸切バスなので、寒くなったら
梅干し番茶が飲めるようにというセットです。
オオバコのど飴
夕食
●味噌粕風味のだんご汁(ゴボウ・人参・白菜・
ずいき・小松菜・ネギ・生姜)
●梅酢生姜
帰って来た相棒は、
今日はあったかいものが食べたいと言います。
そこで、夕飯は熱々の酒粕だんご汁。
お酒は昔から「百薬の長」と言われ、
発酵過程で多くの薬効成分が作られます。
その副産物である酒粕にも
薬効成分はたっぷり残っています。
酒粕はミネラル・栄養素・有用菌・アミノ酸などの
かたまり。
酒粕は風邪の時に頼りになる食材なのです。
そんな酒粕入りのだんご汁で温まって、
一気に風邪を吹き飛ばしてもらいましょう。
食欲も少し出てきたようです。
今日は土鍋いっぱいのだんご汁を二人で完食でした。
順調に回復に向かっているのでしょう。
■風邪5日目
昼食
●煎り大豆入り玄米ご飯
●カリフラワーと小松菜の味噌汁
●車麩とニラの煮物
●ワカメ炒め
夕食
●煎り大豆入り玄米ご飯
●あさりの味噌汁
●ぶり大根
●小松菜の胡麻和え
熱はすっかり下ったようです。
あとは体力の回復あるのみ。
夕飯に「ぶり大根とあさりの味噌汁が食べたい!」
とリクエストが。
体がタンパク質を欲しているのでしょうか?
体は確実に体力回復に向かっているようです。
明日は
テレビ東京「ものスタMOVE」の撮影隊が我家にやって来る日です。
何とか明日までには復活を!と誓う相棒でした。
■風邪6日目
昼食
●蒸籠蒸し玄米ご飯
●豚汁
(ゴボウ・人参・カリフラワー・玉ねぎ・小松菜)
●胡麻サバのお刺身
●大根おろし(梨酢風味)
●4年梅干し
夕食
●ひえ入りライ麦パン
●鶏スープのポトフ
人参・ネギ・カリフラワー・小松菜)
●手羽先のグリル
昼食に相棒が自分で胡麻サバのお刺身を
買って来ました。
こういうものが食べられるようなら、
もう風邪は完治と言って良いでしょうね。
豚汁も喜んで食べていたし・・・。
やはりタンパク質が体力回復には必須のようですね。
夕食は撮影に使った手羽先のスープとグリルで。
完全復活!おめでとー!
■相棒の後日談
「あれは、インフルエンザだったかも・・・」
風邪が治ってからしばらくして、
ひょっとして、
あれはインフルエンザだったのではないか、
という気がしてきて、
いろいろ調べてみたところ、
どうやら僕は
インフルエンザにかかっていたみたいです。
●インフルエンザの症状
筋肉痛、関節痛、から咳、のどの痛み、無気力。
突然の38度以上の高熱が平均2~4日続く。
解熱後もくしゃみや鼻汁が続く。
症状が治まるまでには約1週間を要する。
上記の説明に照らし合わせてみたところ、
・それまで元気だったのに、
突然その夜から38度以上の高熱を発した。
・しかもそれが3日間下がらずにずっと続いた。
ふるえるほど寒かった。
・全身の筋肉痛と関節痛。
・空咳がしつこく出た。
くしゃみや鼻水はたいしたことなかったけど。
僕は病院にいかなかったので、
インフルエンザかどうか、
今となってははっきりは分からないが、
かなりそうであることが濃厚になってきました
熱が出ている間は、
食欲がない場合は食事はとらないか、
普通どおり少量の玄米の食事をとっただけ。
薬は飲まないので、
代わりに梅醤番茶、みかん、焼き梅干、
ネズミモチの丸薬を飲んで、
ひたすら眠りに徹しました。
インフルエンザだったとしても
寝込んだのは木曜~土曜日の3日間だけ。
日曜日からは仕事にカムバックしました。
とはいえ、月曜くらいまで ふらふらしていたっけ。
「体調が元に戻るまでには、解熱後1週間はかかる」
というのがインフルエンザの常識ですが、
僕は解熱後2日目には、もう寒風の中、
六尺棒を空地で振っていたのでした。
う~む、案外僕って体力あるじゃん 。
みなさん、インフルエンザには気をつけましょう!