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仙人と腸内細菌
ニューギニアのパプア族は、
主食のイモばかりを食べていますが、
筋骨隆々とした体つきです。
ふだん動物性たんぱく質は、
ほとんど食べていないそうです。
それなのに、筋肉質の体を維持できるのは、
なぜなのでしょうか?
それは彼らが呼吸でとりこんだ空気中の窒素を、
体内の腸内フローラがたんぱく質に変えているからだそうです。
空気でたんぱく質を作る腸をパプア族は持っているのです。
すごい話ですね。
ですから彼らの腸は低たんぱく質向けに改造されています。
それでお祭りなどで豚肉などを食べてしまうと、
お腹が破壊されてしまい、
死にいたったりするということです。
我が国でも、不食とか小食とかいう人達がいます。
わずかの食料で、生きていける人達です。
こうした人たちは、パプア族の人達の胃というよりは、
牛の胃に近い性質になっているようです。
牛はあの巨体を草を食べることで維持しています。
なぜ草だけで大丈夫かというと、
牛の胃の中に腸内細菌がいて、
草の食物繊維からたんぱく質を作りだしたり、
エネルギーや各種ビタミンを生産して、
あの大きな体を支えているからです。
胃酸はとても強い酸ですから、
腸内細菌なんていないように思いがちですが、
ちゃんと胃の中で腸内細菌は生きていて
こうした活動を行っています。
不食の人、小食の人の胃も、
こうした機能が備わっているので、
あまり食べないでも生きていけるのでしょう。
パプア族や不食、小食の人達の胃のことを考えると、
仙人が松葉やかすみを食べて生きていたというのも、
単なる伝説の話だけではないような気もしますね。
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